日々のつぶやきです
弟の話を聞くと変な電話がかかってきたと思ったら いきなりチャイムを鳴らされた
見に行っても誰もいないのに 家の周囲を誰かが窺ってる気配がする 犬みたいな息遣いが
聞こえるとのこと 怖くて仕方なくなってきたところで俺からの電話がかかってきたそうだ
俄かには信じられない話だが 隣に座ってる男の意味ありげな言葉と 現実に弟が怖がってる
様子からして 何かが起こっているのは確かなようだった
しかし俺は仕事中だし親父は出張で県外に出ている すぐ助けに行くわけにはいかなかった
どうしようと思いながら一生懸命弟をなだめていると 横からひょいと携帯を取り上げられた
「何しやがんだ!」
と隣を見ると そいつはまた飄々と話し出した
「あ 俺君の兄貴の同僚 外になんかいるんでしょ? とりあえず家の中にいれば安全だから
夜が明けるまで我慢しててよ …大丈夫だって 布団被って寝ちまえばすぐ朝だよ」
このあまりの口調の軽さに 思わず携帯を取り返そうと手を伸ばしたが 一足先に
切られてしまった 取り上げて慌ててリダイアルしようとすると
「さ 仕事仕事」
と車を下りてさっさと行ってしまった いらいらと不安と焦りとで やっと仕事から
解放されると 俺は着替えもそこそこに実家に向かった 実家へは車で40分くらいのところに
ある もう夜は白々と明け始めていた と そこへ奴までついてきた むっとし
「て何でお前が来るんだよ」
と言うと
「弟のピンチ教えてやったの俺じゃん」
と ニヤニヤ人の悪い笑みを浮かべていた 本心ではすげー嫌だったけど 確かに
こいつのお陰で弟の異常を知ることが出来たのは間違いない 勝手に助手席に乗り込んだ奴を
無視して俺は車を出した 俺の実家は古い平屋でガキの頃から住んでいる 親父の趣味で
庭はこざっぱり整えられている 玄関周りに異常はない 俺は中に入ると弟の部屋へ向かった
弟は部屋で布団に潜ったまま 俺の顔を見るなりすごい勢いで泣き出した 普段は生意気で
気が強い弟が まるで小さい子供みたいに俺に縋って泣き出したんだ
それほど怖い思いをしたってことだ 何があったのか聞こうにも泣きじゃくって止まらない
俺はどうしていいかわからなくて ただ呆然と弟の背中をなでるしかなかった すると
いつの間にか奴が部屋に入って来ていて 面白そうに俺達を見下ろしていた 俺はその態度に
ムカついた
「一体なんなんなんだ」
と
「お前が何かしたんじゃないか」
と怒鳴り付けた 奴はまた小馬鹿にするように笑って
「そんな訳無いじゃん」
と言った
「しっかりした家でよかったな じゃなきゃ今頃大変なことになってたかもな」
俺は意味がわからず たぶん相当嫌な顔をしてたと思う 奴は苦笑いをして弟を覗き込んだ
「で?どうやって連れて来ちゃったわけ?」
弟はもうだいぶ落ち着いたみたいだったが その質問の意味がわからないみたいで怪訝な
顔をしていた しばらくして怒りが甦ってきたみたいで
「知らねーよ 連れてくるってなんだよ お前誰だよ」
続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・